10歳の女児が自らの首をベルトで絞めて
2021年1月、イタリア・パレルモで、TikTokの「失神チャレンジ(ブラックアウトチャレンジ)」に挑戦した10歳の女児(Antonella Sicomero)が自らの首をベルトで絞めて死亡するという悲劇が起こりました。
失神チャレンジは、自分の呼吸を遮断することで意識を失うことを目的とした危険な挑戦であり、その結果事故が発生することも少なくありません。
この事件を受けて、イタリアの捜査当局は、中国のバイトダンス(ByteDance、字節跳動)傘下のTikTokを捜査しています。
ティックトックの利用規約では、13歳以上のみが利用できると定められていますが、このようなSNS上での危険なチャレンジは、未成年者に深刻な影響を与える可能性があります。
保護者や教育機関は、子供たちに安全意識を徹底すると共に、適切なSNS利用の指導が求められています。挑戦や流行に乗ることよりも、自己の安全を最優先にすることが大切です。TikTokで流行していたチャレンジゲームについて調べてみようと思います。
姉が「失神ゲームをしていた」
イタリア・パレルモで発生した10歳の少女の悲劇は、5歳の妹によって自宅の浴室で発見され、その後パレルモの病院で亡くなりました。
警察は、現場で見つかった少女のスマートフォンを押収しました。
少女が参加したとみられる失神チャレンジは、陶酔感を得るために脳を酸欠にする「スカーフィング」や「窒息ゲーム」としても知られています。医療専門家たちは、この行為の危険性について若者の間で警告してきました。
中国ByteDance(バイトダンス)傘下のティックトックは、少女が失神チャレンジに参加するよう促すコンテンツをアプリ上で見つけられなかったと説明しました。
一方、自殺を促す行為についての調査に協力する姿勢を示しています。
イタリアの全国紙レプブリカ(La Repubblica)によると、少女の妹は両親に、姉が「失神ゲームをしていた」と伝えたそうです。父親は「私たちは全く知りませんでした」と語りました。
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ベナドリルチャレンジに参加
2020年8月、アメリカ・オクラホマ州での悲劇が起こりました。
その時、ブランチャード高校2年生の少女クロエ・フィリップス(Chloe Phillips)さん15歳が、TikTokで流行していた「ベナドリルチャレンジ」に参加し、抗アレルギー薬を過剰摂取し命を落としました。
ベナドリルは、花粉症などのアレルギー症状を和らげるための薬です。
しかし、これを過剰摂取すると幻覚を引き起こす可能性があります。彼女も、オーバードース(過剰摂取)により、幻覚を経験し、それをTikTokに投稿しようとしたのです。
しかし、過剰摂取は発作や心停止を招く危険があります。この悲劇は、ベナドリルチャレンジの危険性を示す例として、若者や保護者に警鐘を鳴らすものとなりました。
健康に関する情報を正しく理解し、SNSの影響に惑わされないよう、若者たちに啓発する必要があります。
ベナドリルとは、アメリカの薬局で市販薬です。ディフェンヒドラミンの一種で、花粉などによるアレルギー症状を和らげる薬として服用されています。
大量に摂取すると発作が起きたり、心臓の拍動が不規則になることで血液の送り出しが正常にできない問題を引き起こす可能性があります。
2021年2月、ミルウォーキーにて
2021年2月、ミルウォーキーにあるアロヨ家での悲劇的な出来事が話題となりました。
5歳の男の子がパニックに陥り、叫び声が響き渡ったが、父親は地下の作業場に、母親は聖書の勉強会に出席しており、声が届かない状況でした。
男の子は9歳の妹と遊んでいる最中、アリアーニが首に金属製の犬用リードを巻き付け、命が危ない状況に陥ってしまったのです。
なんとこの事件は、TikTokで拡散された「ブラックアウト チャレンジ」と呼ばれる危険なゲームに関連していたのです。
このゲームは、気絶するまで首を絞め、その状態で感じるアドレナリンラッシュを録画し、SNSに投稿するもので、数多くの子供たちが参加していました。
首絞めチャレンジは何十年も前から存在していましたが、現代版としてSNSを通じて拡散され、深刻な事故や犠牲者を出し続けていたのです。
アルゼンチンで12歳女児死亡
南米のアルゼンチンで、中国発の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」のライブ配信中に女児(12)が死亡したとみられる事故が発生しました。
女児は息を止めて自らを失神させる「失神チャレンジ」を行っており、その結果窒息してしまったとの報道があります。
この悲劇は地元メディアを通じて広く伝えられました。
アルゼンチンメディアの「パヒナ12」によると、北部サンタフェ州カピタンベルムデスに住むミラグロス・ソトさん(12)が自室で死亡しているのが発見されました。
首にベルトが締められた状態で見つかり、地元当局は虐待や第三者の関与の痕跡は見られないとしています。
ソトさんのおばによると、ライブ配信中に友人たちと一緒に「失神チャレンジ」を行っていたとのこと。おばは、最初の数回はベルトを緩めることができたが、3回目の試みで失敗してしまったと語っています。
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「ナツメグ・チャレンジ」と「シナモン・チャレンジ」
SNS上で広まる危険なチャレンジには様々なものがありますが、その中でも特に注目されるのが「ナツメグ・チャレンジ」と「シナモン・チャレンジ」です。
「ナツメグ・チャレンジ」は、香辛料のナツメグを大量に水と混ぜて飲むというもので、一見無害に見えるかもしれませんが、実際には過剰摂取による健康被害が報告されています。
また、「シナモン・チャレンジ」は、口にシナモンを入れて水を飲まずに我慢するというもので、これも誤った呼吸や窒息のリスクがある危険な行為です。
これらのチャレンジは、一部の有名なユーチューバーが挑戦することで更に広まりましたが、アメリカの専門家だけでなく、多くの医療機関からも危険性が指摘されています。
例えば、ナツメグの過剰摂取は意識障害や幻覚、心臓の異常などの健康被害を引き起こす可能性があります。
SNS上での拡散力と若者の模倣行動
SNSアプリのTikTokで流行した「コンセントチャレンジ」は、若者の間で火災の危険性を指摘される事態を引き起こしています。
このチャレンジでは、コンセントに硬貨を挿入することで火花を発生させるという危険な行為が行われていたのです。
例えば、アメリカの高校に駆けつけた消防隊員は、黒焦げになったコンセントや携帯電話の充電器、そして溶けてプラグにくっついた硬貨を発見したという報告があげられています。
このような危険なチャレンジが流行する背景には、SNS上での拡散力や若者の模倣行動が挙げられます。
結果として、若者はトレンドに敏感であり、危険な行為が拡散されると、模倣する傾向や情報を共有するという一面が見受けられます。
頭蓋骨破壊チャレンジ(Skull Breaker Challenge)
頭蓋骨破壊チャレンジ(Skull Breaker Challenge)がTikTokで流行。
このチャレンジは3人の参加者によって行われ、中央の1人がジャンプする際に、両脇の2人が後ろから足を引っ掛けるという危険なものである。
この挑戦は見た目に派手で笑いを取ることが目的のようだが、実際に多くの若者がこの行為によって骨折や頭蓋骨、脊髄の損傷、体のしびれなどの重傷を負っているのです。
このようなチャレンジが広まることで、子どもたちの安全が脅かされている現状が懸念されます。
若者たちには、自己表現や挑戦を通じて楽しみを見出すことは大切だが、その行為が自身や他者に危害を及ぼす可能性があることを理解し、安全を最優先に考えるべきです。
個人情報の取り扱いや外部への情報漏えいの懸念
TikTok(ティックトック)は、中華人民共和国のByteDance社が運営しているケータイ向け短いビデオ映像プラットフォームです。TikTokは2016年にサービスが開始され、2018年にはなんと世界で推定ユーザー数5億人という数値も報告されています。
TikTokは、10代20代の若者を中心に驚異的な伸びを見せた動画特化型のSNSアプリであり、独自の編集機能や音楽ライブラリーを活用して、クリエイティブな短い動画を制作・共有することができます。
ユーザーは15秒から60秒の動画を投稿し、多様なコンテンツを楽しむことができます。特に若者を中心に、ダンスやコメディ、ライフスタイル、教育関連のコンテンツが人気を集めています。
一方で、TikTokはプライバシーや情報セキュリティの問題について議論を呼んでいます。
中国企業が運営することから、個人情報の取り扱いや外部への情報漏えいの懸念が指摘されており、一部の国では使用が禁止される動きも見られます。
TikTokは世界中で大きな影響力を持つSNSアプリとして、若者文化やコンテンツ制作のあり方に新たな風を吹き込んでいます。今後もその成長と課題解決が注目されるでしょう。
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